黒田辰秋(1904−1982)は、 木・漆工家。20歳のとき河井寛次郎と知り合い、柳宗悦(やなぎむねよし)のもとで民芸運動に参加するようになり、とくに李朝(りちょう)木工品や螺鈿(らでん)器に興味をもった。70年4月重要無形文化財「木工芸」保持者に認定。作風は木理の美を生かした単純・豪壮な器形、また絢爛(けんらん)たる螺鈿の加飾表現に特色があった。