【企画展】『藍染めのアポレンカ』出版記念 チェコの藍染め展
©︎Veronika Vlková, Jan Šrámek, courtesy of Kyuryudo
絵本『藍染めのアポレンカ』(求龍堂)の出版を記念して、伝統的なチェコの藍染めを日本に紹介するブランド・ヴィオルカの動植物がモチーフとなった可憐な13種類の布をメートル売りで展示販売いたします。深い紺色に鮮やかな白のコントラストが美しい藍染めの布地は、インド藍と凸版の木型を使った型染め技法で作られます。ヴィソチナ地方の街、オルシェニツェに現存するチェコ最古の藍染め工房で制作しています。
また絵本本文の額装や、チェコの民族衣装のエプロン、チェコ藍染めの着物や帯も展示いたします。絵本『藍染めのアポレンカ』部数限定スペシャルエディションもご用意しておりますので、ぜひこの機会にご高覧いただけましたら幸いです。
【京都展】
日時 11月17日(金)〜12月5日(火)12:00~18:00 ※水曜・木曜定休、祝日は営業
会場 アトリエシムラ Shop & Gallery 京都本店
600-8018 京都府京都市下京区河原町通四条下ル市之町251-2 壽ビルディング2F
小川里枝(ヴィオルカ主宰)在廊日 11月17日(金)〜19日(日)
お問い合わせ tel : 075-585-5953 mail : info@ateliershimura.co.jp
【東京展】
日時 2024年1月19日(金)〜1月21日(日)11:00~17:00 ※水曜・木曜定休
会場 アトリエシムラ Shop & Gallery 東京・成城
157-0066 東京都世田谷区成城2-20-7
小川里枝(ヴィオルカ主宰)在廊日 1月21日(日)
お問い合わせ tel : 03-6411-1215 mail : info@ateliershimura.co.jp
会場にて展示販売する生地一覧はこちら
〈企画展関連イベント〉
【東京・成城】トークイベント「チェコを知る − 文化と工芸 」
小川里枝(ヴィオルカ主宰) × 志村昌司(アトリエシムラ代表 )
『藍染めのアポレンカ』の翻訳もされている、ヴィオルカ主宰・小川里枝さんとアトリエシムラ代表・志村昌司による、トークイベントを開催いたします。チェコの工芸の歴史や文化にも触れながら、インド藍と凸版の木型を使い型染め技法で作られた、200年以上の歴史を持つチェコ伝統の藍染め「ブルー・プリント」について、また次世代への継承のための取り組みについて、お話を伺います。
日時 1月21日(日)16:00〜17:30
会場 アトリエシムラ Shop & Gallery 東京・成城
参加費 1,100円(税込)
定員 20名
【京都本店】トークイベント「チェコの藍染めについて」
小川里枝(ヴィオルカ主宰) × 志村昌司(アトリエシムラ代表 )
日時 11月19日(日)10:00〜11:30
会場 アトリエシムラ Shop & Gallery 京都本店
参加費 1,100円(税込)
定員 15名
終了しました。
ヴィオルカについて
ヴィオルカは「すみれ」の意味のチェコ語。200年以上の伝統を持ち、現在では作り手が少なくなっている稀少なチェコの藍染めを日本に紹介しています。 チェコの藍染めは、野に咲くすみれの花のように可憐で、やさしく毎日の生活に寄り添ってくれるものです。ヴィオルカは、チェコの藍染めを取り入れた暮らしの提案をしています。
https://www.violka.jp/
〈絵本『藍染めのアポレンカ』〉
地域の人々に愛されながら、何世代にもわたって受け継がれ守られてきた藍染めの伝統と技の精神を、その性格を表現する美しい水彩のイラストレーションとともに伝える物語です。
チェコ・グランド・デザイン最優秀イラストレーター賞、受賞作品。染織家・志村ふくみが帯に言葉を寄せております。
母から受け取ったバトンは藍という色だった。
時は過ぎ、次の走者の姿が見えてくる。
今こそバトンを落とすことなく渡したい。
チェコは何故か忘れがたい地であったが、その謎が解けた気がする。
志村ふくみ
あらすじ
2匹の猫と暮らしながら、藍染め工房を営むおじいさんとおばあさんは、伝統の技を伝える跡継ぎがいないことに悩んでいました。日曜日の散歩道、ふたりはすっかり汚れた赤い髪のお人形を見つけます。不思議なことに、綺麗に洗ってもらったお人形さんは、一夜明けると、お腹を空かせた女の子に姿を変え、「光の少女」を意味する「アポレンカ」と名付けられます。そうして、アポレンカの工房での生活がはじまりますが、おじいさんの仕事、そして、宇宙のように深い藍の染液の青色を目にした彼女は、自分の使命を悟り、藍染めの伝統を守ろうと決意します。
『藍染めのアポレンカ』Special Edition
限定300冊
作 ロマナ・コシュトコヴァー
絵 ヴェロニカ・ヴルコヴァー、ヤン・シュラーメク
訳 小川里枝
発行 求龍堂
店頭価格 4,180円(税込)
A4変型 箔押し背継クロス装
展示期間中、アトリエシムラ京都本店、東京・成城店、オンラインストアにて販売中
駐日チェコ共和国大使館 特命全権大使 マルチン・クルチャル氏から、メッセージをいただきました。
「古くから伝わる藍染め技法は、日本とチェコのユニークで意外なつながりを示すものです。この技法はチェコで200年以上続くものであり、日本でも同様に、興味深く長い歴史があります。両国の藍染めを愛する人々の手によって、この詩的な工芸は継承され、発展し続けています。2018年、チェコ共和国を含む中欧5カ国が推薦を受け、防染ブロックプリントと藍染めの技法はユネスコ無形文化遺産に登録されました。
しかしながら20世紀以降、伝統的な藍染めの存続は、両国ともに常に難しい状況にあることを認めざるを得ません。藍染め工房の数は激減し、伝統の技を受け継ぐ職人の高齢化が進んでいます。ですから多くの人にこの美しい伝統を知らせ、そしてその魅力を発見させるためのすべての活動を私自身とても高く評価しています。
そのような活動として、このたび開催される展覧会は丁寧に準備が重ねられたもので、会場ではチェコの民族衣装やチェコの藍染めから仕立てられた着物や帯をご覧になることができます。そして、これに劣らず重要なことが、ロマナ・コシュトコヴァー、ヴェロニカ・ヴルコヴァー、ヤン・シュラーメクによる美しい絵本『藍染めのアポレンカ』の日本語版が、チェコの藍染めを愛する日本の人々、アトリエシムラ、求龍堂、なかでもヴィオルカの小川里枝さんの努力により完成したことです。また、本の帯には日本の染織の第一人者・志村ふくみさんが言葉を寄せられています。この絵本は伝統的な染色の工程を子どもたち、さらには大人たちにおとぎ話のようにやさしく説いてくれます。
現代社会に生きる私たちは画一化、自動化、そして絶え間ない加速化に晒されています。しかしながら専門家も一般の人々も、手仕事は今日でもなお多くの可能性を秘めていることを知っています。チェコの藍染めは現代社会に対し、見事に抵抗してみせています。藍染めがこれからも発展し続け、何代にもわたりその美しさを楽しむことができますように。絵本『藍染めのアポレンカ』がその一助になると信じています。」