学びの会「言ノ葉 − 色で結ぶ −」2024年度オンラインゼミ「民藝を深める」
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2024年度は「民藝を深める」という年間テーマのもと、今、みなさんと一緒に読みたい本を厳選し、現代的な問題意識を持って学びを深めたいと思います。本棚を見ればその人の思想がわかるとよく言いますが、文化、芸術、思想、文学を中心に、心に深く残る本を読みます。ゼミの前半の時間では本の成立背景とポイントをわかりやすく解説し、後半ではお互いに考えていることを共有することによって、学びを深めていきます。ただ学ぶだけでなく、それを消化し、自分の言葉で表現することによって、はじめてその思想が自分のものとなります。ぜひ、みなさまのご参加をお待ちしています。
2024年度テーマ:「民藝を深める」
4月20日 | 柳宗悦『民藝四十年』(ちくま学芸文庫) |
5月18日 | 浜田庄司『無盡蔵』(講談社文芸文庫) |
6月15日 | 河井寛次郎『火の誓い』(講談社文芸文庫) |
7月20日 | ジョン・ラスキン『ヴェネツィアの石』(みすず書房) |
8月17日 | ウィリアム・モリス『ユートピアだより』(岩波文庫) |
9月21日 | ウィリアム・ブレイク『対訳 ブレイク詩集』(岩波文庫) |
10月19日 | 岡倉天心『茶の本』(角川ソフィア文庫) |
11月16日 | 宮沢賢治『農業芸術概論』(宮沢賢治全集〈10〉(ちくま文庫)所収) |
12月21日 | 柳田国男『遠野物語』(新潮文庫) |
1月18日 | 宮本常一『忘れられた日本人』(岩波文庫) |
2月15日 | 岡本太郎『忘れられた日本 沖縄文化論』(中公文庫) |
3月22日 | マルセル・モース『贈与論』(岩波文庫) |
開催概要
講師 | 志村昌司(アトリエシムラ代表) |
日時 | 毎月第3土曜日 17:00〜19:10 |
開催スケジュール |
前半17:00〜18:00 講義 後半18:10〜19:10 質疑応答・意見交換(ゼミ生のみ参加可能) |
参加費 |
ゼミ生 年間12回 33,000円(税込) 聴講生 各回 1,650円(税込) |
募集人数 |
ゼミ生12名 / 聴講生 定員なし ゼミ生:年間12回の講義、前半(講義本編部分)と後半(質疑応答・意見交換)に参加。講義と質疑応答・意見交換の時間を通して内容を深めていきます。 聴講生:前半の講義本編部分の視聴のみが可能です。 *ゼミ生のみ1週間の見逃し配信をご覧いただけます。 |
岡本太郎『忘れられた日本 沖縄文化論』(中公文庫)
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このオンラインゼミでは、戦後日本を代表する芸術家・岡本太郎(1911-1996)の異色の評論『沖縄文化論 − 忘れられた日本』(中公文庫)をテキストに取り上げます。岡本は「芸術は爆発だ」のフレーズや『太陽の塔』の作者として著名ですが、本書では、彼が沖縄に見た、もう一つの日本の姿が描き出されています。 『沖縄文化論』では、沖縄の祭祀や儀礼に息づく「カミ」と「ヒト」の共存、自然との一体化といった、原始的で根源的な精神性が明らかにされています。岡本はそこに、日本人が忘れかけていた美の原型、そして日本文化再生の鍵を見出しました。 本ゼミでは、民芸運動の沖縄論の視点とは異なる『沖縄文化論』をじっくりと読んでいきたいと思います。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
- 日程
- 2月15日(土)
- 時間
- 17:00〜18:00
- 場所
- オンライン聴講
マルセル・モース『贈与論』(岩波文庫)
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このオンラインゼミでは、マルセル・モース(Marcel Mauss, 1872 - 1950)の古典的名著『贈与論』(岩波文庫)をテキストに取り上げます。モースは、フランスの社会学者、人類学者であり、社会学、人類学、民族学の分野に多大な影響を与えた人物です。また戦前パリ時代の岡本太郎にも大きな影響を与えました。 『贈与論』において、モースは未開社会における贈与は表面上は自由な行為に見えても、返礼の義務が伴い、贈与、受贈、返礼というサイクルを通じて社会的な絆が強化されるということを明らかにしました。また、贈与は単にモノの交換だけでなく、名誉、威信、権力といった無形の価値も交換される行為であると捉えました。 民藝思想において経済的視点が弱いと感じますが、これからの工藝の経済的環境を考えるうえで、資本主義とは異なる経済・社会の仕組みを明らかにした『贈与論』は大きな示唆を与えてくれます。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
- 日程
- 3月15日(土)
- 時間
- 17:00〜18:00
- 場所
- オンライン聴講